
一言でまとめると『バランスがいい』
神戸市のセレクトショップ「WEBO」
- オーナー井村俊介氏インタビュー - 後編 -
「今、気になる人」に会いに行く企画がスタート。1回目の話し手は、神戸市でセレクトショップ「WEBO」を運営する井村俊介さん。後編では井村さんにDUENDEの印象や魅力を伺います。
text 渡辺平日 photograph 小出和明

「DUENDEみたいなブランドって、なかなか無いです」
井村:そういえば、DUENDEの「BENT STOOL」を手掛けた岩元航大さんは、大学の後輩なんですよ。カタログを見ている時に知ってビックリしました。
ーそれはなにか縁を感じますね。自分も愛用していますが、非常におもしろいプロダクトだと感じています。ところで、DUENDEを取り扱い始めたのは何年くらい前ですか?
井村:少なくとも10年は経っているはずです。最初に取り寄せたのは「STAND!」ですね。初めて見た時、その斬新さに驚きました。自分が知る限り、それまで縦型のティッシュボックスは存在しなかったので、ほんとうに衝撃的でした。

井村:STAND! みたいに「当たり前」を変えてくれるプロダクトは良いですね。デザインのおもしろさが詰まっています。ティッシュを強く引っ張ると倒れちゃうこともありますが、そういうデメリットを差し引いても魅力的に感じます。
ー常識を変えてくれる製品っておもしろいですよね。プロダクトデザインの醍醐味といえるのではないでしょうか。
では、DUENDEを取り扱おうと思った決め手はなんだったのですか?
井村:デザインとクオリティの高さが決め手ですね。細かいところまでこだわっている点も好印象でした。気が利いてるというか。
コストパフォーマンスに優れている点も決め手となりました。この価格帯ならお買い求めやすいだろうなと。一言でまとめると「バランスがいい」という感じですね。
上を見ればもっと良いものはあります。でも、買えなければ意味がないですよね。無理して買って生活がカツカツ……というのも違うかなと。だからこういうバランスの良いブランドは貴重だと思います。
「そのほうが健全かもしれません」
井村:話が変わりますが、今、インテリアや家具って二極化してますよね。
ーよく分かります。ものすごく安いか、あるいはその逆か……。ほぼその2択になっています。
井村:ええ。ですが、DUENDEのプロダクトは、うまく中間を開拓できている気がします。ちょっとだけ背伸びすれば手が届く価格帯ですから。
しかも品質が高いので、いずれ高級品を買えるようになっても、一緒に使い続けることができる。そういうブランドってなかなか無いと思います。
ーなるほど……。何事もそうですが、中間を開拓するのって非常に大事ですよね。
ー二極化に関連する話題ですが、トレンドはほとんど無くなって、無極化が進んでいる気がしませんか?
10年前であればエジソンバルブやメイソンジャーなど、ブレイクしているアイテムってそれなりに有りましたよね。でも今ははっきりしたブームはほぼ無い。もちろん局地的に流行するものはありますが。
井村:分かりやすい流行は無くなりましたよね。ただ、そのほうが健全かもしれません。流行りに左右されず、好きなものを買えている……と解釈できなくはないですから。
ー興味深い見解です。たしかにその通りですね。無極化ってそう悪いことじゃないかもしれません。店舗やメーカーからすると大変かもしれませんが。
「手触りが求められているのではないかと」
ー井村さんがおっしゃるとおり、ゆっくりと、しかし確実に、二極化が進んでいるように思います。――そのほかになにか気付きはありますか? たとえばここ10年で、お客様の嗜好はどのように変わりました?
井村:自分の感覚では「手触り」のあるものを求める方が増えているように思います。
ー手触りですか。たとえば天然木とかそういう?
井村:そうですね。あとはプラスチックのトレンドも変わってきていますね。昔はツルッした質感の製品が多かったのですが、最近はサラッとしたものが増えていると思います。
ーたしかにそうですね。興味深い観点です。その要因としてはどういうことが考えられますか?
井村:あくまでも自分の感覚ですが、スマートフォンの普及が大きいのではないでしょうか。たとえば、(物理ボタンが主流だった)ガラケーだと押した感覚がありますが……。
ーなるほど。スマホはタッチパネルだから手応えがほとんどないですね。
井村:長い人だと(スマホを)一日に何時間も触りますよね。そうなると当然、指先へのフィードバックが格段に減ります。やや突飛かもしれませんが、だからこそ手触りが求められているのではないかと。
ー非常におもしろい考察だと思います。プロダクトデザインを学ばれた方ならではですね。
井村:あくまでも仮説ですが(笑)。そういう見方をすると、DUENDEはフィードバックのある製品が多いと思います。
「新しいジャンルを創りだすようなプロダクトを」
ー興味深い話を聞かせてもらえて嬉しいです。最後に、あえてお伺いしますが、DUENDEに対してリクエストはありませんか?
井村:DUENDEに限った話ではないですが、もっと挑戦的なプロダクトが出てくると嬉しいです。個人的な感覚ですが、金型(金属製の型)を使った製品って、最近は少ないですよね。
ー金型は安くても数十万とかになるので、メーカーが尻込みするのも分かります。ですが、金型を使うからこそ作れるプロダクトもあるので、できるかぎりで挑戦するべきかもしれません。
井村:あとは、これもDUENDEだけではありませんが、「同じようなもの」ではなく、新規性の高いものを見てみたいです。
ーなるほど。たとえばDUENDEの場合、サイドテーブルの比率が多いですよね。数えてみると……4商品もあります。ただこれは、開発者の趣味も影響してそうです。なんでも、サイドテーブルが好きらしく。
井村:そうなんですね(笑)。そういうパターンもあるのか。おもしろいですね。
ーだいぶ特殊な例だと思いますが(笑)。正直なところ、自分も「これまでに無かったものを」と感じます。それこそSTAND! のように、新しいジャンルをつくりだすようなプロダクトを見てみたいです。

ー今日はありがとうございました。僕自身、DUENDEが好きなので、「おお、これはすごい!」と唸るような製品が出ると嬉しいです。そしてそれがWEBOで取り扱われるとなおのこと嬉しいです。WEBOさんも大好きなので。
井村:そう言ってもらえて嬉しいです。こちらこそ、今日はありがとうございました。お話しできて楽しかったです。
WEBO公式サイト: https://www.webo-kobe.com/

