
今思えば、礎となったイス
- 少年の頃の思い出と実験 -
ノーリツイスはご存知でしょうか。愛知の会社で、事務用イスを専門的に作っている老舗のメーカーです。
病院で先生が座ってるスツールやイス、患者が座るスツール、働くあらゆる場所で使われているので、どこかで目にしていると思います。
「働く」を応援し「働く人」を支える。
昭和22年、青木松治郎が創業した東海器具製作所(現ノーリツイス)は、理髪いすの製造からスタートしました。その後、オフィス家具メーカーとしての基盤となる、事務用回転チェアの製造に着手…
(詳しくはこちら https://www.noritsuisu.co.jp/ )

こちらのワーキングチェア(作業用チェア)回転スツールT-6KRは、最近購入しました。
ずっと欲しかったという訳ではなく、この昇降構造部(手動上下調節)をWEBでたまたま見て、少年時代の記憶が蘇り、「いまだにこの仕組みで作っているのか!」という衝撃と、ほぼ変わらぬ姿で現代に続いている尊敬の気持ち。そんなノスタルジックな気持ちも相まって、即購入を決めました。

十字にくまれた脚部と、工業用のキャスターの組合せ。
この製品は、製図用のスツールで、座面が高いゆえに、丸いリング状の足載せが脚部に固定されています。
昔からのオフィスグレーのカラーが絶妙。グラフィカルな姿がたまりません。

座面高 515mm~615mmになるやや座面が高めのタイプです。

一番低い515mmにしておけば、イスが足りないときにはダイニングテーブルでも使えますね。

写真のように、黒いプラスチックのハンドルを、回していくと、ネジが緩み、そのネジの先っぽが食い込んでいた支柱の凹みから外れ、支柱が上下に動かせる。そして別の凹みにまたネジを締め込んでいくと、支柱がそこで固定されます。

懐かしいなと昔に思いを馳せ、ハンドルを回して高さを調整していたら、少年時代のあの実験が今の自分の仕事の礎のひとつになっているという事に気付きました。
うちの実家は会計事務所だったので、事務所には、このノーリツイスの事務チェアーがあり、子供の自分が座るときには、座面を高くして夜の事務所で大人のフリをして遊んでいました。
座面の高さが変えられる事務イスには、大変興味が湧きました。
「すごい単純な仕組みじゃん」と思うと共に、これだけで体重支えられるんだ!
そうゆうもんか。と思いました。
そして疑問が…。
ネジが凹みに食い込んで固定されるけど、どのくらいネジを締め込んであれば固定できるのか。

ネジが、一回りで何ミリ進むか(ひと回しすると進む長さ:ピッチ=ネジ山とネジ山の間隔は太いネジ程大きい)なんて事は少年は知らず、一番締めた状態から半周緩めて座ってみる。
おお、平気だ。さらにもう4分の1くらい一回り緩めて座る。
全然変わらない、余裕すら感じる。さらに4分の1緩めて座る、さらに4分の1、座る。
あれあれー、思ってたよりかなり緩めたのに、まだガタン‼︎てならない。
イメージとしては、2回転くらい緩めて座ったら、絶対ガタン!と座面が落ちてしまうと想像していた。
※あくまでも興味本位で行われた少年の実験です、安全のためネジはしっかり締めこんでご使用ください。
そしていよいよ座るとガタンのポジションに到達しました。
ここで最終の微調整、座らなければ落ちない、体重が掛かると落ちる。ギリのところでネジをとめ、座ったらガタンと落ちるネジポジションを完全に掌握した。
翌日、父の右腕であり、僕にとっては第二の父、どんな時にも唯一味方でいてくれた歳の離れた兄のような事務員さんが出社し、座った瞬間にガタン!と落ちるのを見届けて、少年の実験は完遂されたのです。

