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DUENDEのこだわりとは part4\n - 単に「売るため」ではないモノづくり -

DUENDEのこだわりとは part4
- 単に「売るため」ではないモノづくり -

今でこそ主流となったシンプルなデザインは、インテリアに限ったことではありませんが、実家の家具や壁紙を思い出すと、特にボリューム満点だったソファやダイニングテーブル、アンティークとも言えない装飾扉の食器棚、柄の強い壁紙など…。あの頃に比べて住環境自体がずいぶん変わったんだなと感じます。


25年以上前になりますが、インテリアの商社で家具のMD(マーチャンダイザー)をしていたときの私は、国内外の工場へ出向き、ショールームで彼らが作っている製品を参考に、少しシンプルに変更したり、ソファの張り生地やステッチを変えたりして、担当先のショップで売れるだろう家具を作って着実に販売実績を上げていました。


そんな時に、いまでは名作として有名な故・新居 猛氏デザインのNychairを知りました。
「簡単に折りたためて、安楽椅子としての座り心地も良い。しかも、なんて潔い作りを実現してるんだ」と感銘を受けると同時に「俺らが今のように小手先で作る製品を世に送り出し続けていると、こういう設計からきちんと作り込まれたデザインの製品でさえも、埋もれて行っていつか無くなってしまうんだろう」と当時は少し複雑な思いをしていました。


しかし、現代においてもNychairは多くのユーザーに支持されています(私も近年購入して使っています)。
それは、デザインの素晴らしさが第一なのだとは思いますが、同時にそのデザインの力だけではなく、「この素晴らしいプロダクトをちゃんと残そう」という想いで、関わる人たちがそれを伝えてきたからこそ、今の世の中にまでずっと継続してきたのだと思います。

 


私は先に述べたように、DUENDEのモノ作りに関わる前は、模倣的な製品を作るサポートをしていました。当然の結果なのだと思いますが、現在まで販売が続いている製品はたったの一つもありません。 

信念を持ってデザインを突き詰め、まだ世にないプロダクトを創り上げるのか。過去に誰かがそうして創ったモノやデザインをうまく真似して作るのか。消費財として市場に出た場合、どちらもユーザーが「買う」という行為は同じであっても、大きな違いがあると思います。 

ここに載せた写真に映る製品は、全て10年以上前から姿を変えずに継続しているDUENDEのプロダクトです。 

当時、生産に関わった私が工場に立ち入り、現場のスタッフの協力のもと、何度も修正をしながら製品化させることが出来たのは、「このデザインをちゃんと多くの人に伝えたい」と感じたからでもあり、彼らデザイナーの想いや強いこだわりを、製品として世に出したいという信念もあったからだと思います。 


この年月を経ていま、当時と変わっていないこれらDUENDEのプロダクトを見て思うのは、短期的に「売れる」という結果を求めてではない、それとは別の価値があったのではないかと感じます。


各デザイナーが信念を持ってデザインを考え、最終のカタチにまで創り上げたオリジナルの製品。
今もなお、全く当時と変わらない姿で販売を継続できているのは、これらのデザインが素晴らしい、製品としてよくできている、と、現代も人々が少なからず感じているからではないのだろうか。

 


継続しながらも進化する。有機的に姿を変える。

削ぎ落したミニマルなデザインのプロダクトは飽きずに長く使える。という考えに変わりはなくとも、DUENDEは20年を超えて、変わってきたところもあります。 

以前は完全モノトーンの黒と白、初期から採用しているザラっとした仕上げのダークグレー。今はライトグレーやベージュを採用した製品も加わりました。これは、使われる空間の変化に伴ってDUENDEとしても変わった部分です。


建築家・芦沢啓治氏デザインのMARGE SHELFは、棚板をライトグレー、ベージュ、ダークグレーの3色にして、以前よりシンプルになった空間で、プロダクトが主張をし過ぎずも部屋の雰囲気や他のインテリアに合わせて棚の色を配置できる。ユーザーが好みの位置に配置できる棚として2021年に発売を開始しました。 


設置場所を変えるは時に、一度解体して棚板のカラー配置を入れ替えることで、雰囲気も変わります。濃い色の棚を上にすればシックな雰囲気に、明るい色を上にすれば、軽い印象になります。


仮に子供が大きくなって部屋を持つときには、その新たな部屋の雰囲気に合わせることができる、製品を暮らしの中で長く使う事を前提とした、画期的なコンセプトのシェルフだと思います。

支柱はオークの無垢棒を使い、棚板の前と後ろを直角に折り曲げることで薄いスチールの板に強度を持たせています。
そのシンプルさは、前、横、後、どこからどう見ても格好がいいと思います。


今年発売を開始したMARGE SHELF BKは、棚板のカラーをブラックのみとし、支柱もオイル仕上げにすることで、構造的にも省けないこのシェルフの、「 デザインそのものの美しさ 」が際立つプロダクトです。
このシャープでソリッドなシェルフが欲しいと思う方もいると思い、新たにMARGE SHELFのラインナップに加えました。 

 


2009年に発表したMUKOUという傘立ては、デザインが空間の中に静かに溶け込むような「サイレント」というコンセプトのもと、作られたプロダクトです。


壁に沿わせて使う、日本の狭い玄関で邪魔になりにくい傘立てとして発売を開始しました。16年目を迎えた今もなおプロダクトは姿を変えずに、傘立てとして、またフラワーベースという用途などとしても使い続けられています。 


DUENDEのプロダクトは、10年、15年と、デザインや仕様を当初より全く変えずに販売を続けています。発売当初は、割と尖ったプロダクトだと感じる人が多かったかもしれませんが、シンプルになった現代のインテリア空間の中では、バランスのいいプロダクトの印象が強いと思います。

 

DUENDE 
ブランドマネージャー 酒井浩二

 

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