
DUENDEのこだわりとは part2
- プロダクトの価値とはなにか -
美しいだけのアートではいけない
「使われてなんぼ」ではないですが、プロダクトは人が生活していく中で使われる、道具であると、自分は考えています。
使う為の道具なら、どんなに美しくても使いにくいものではいけません。しかし逆に、使い勝手だけを追求して見た目が美しくなければ、長く使いたいとも思えないのではないでしょうか。

使う人と空間と美しいと思える道具、それらが共存し育む時間。つまりプロダクトは、生活や空間に彩りを加え、共に快適に一緒に暮らすことに、本当の価値があると、DUENDEは考えています。
2023年に発表したSTEEL STORAGE WAGONは、コロナ禍において、本来「会社でする仕事」が多くの人の生活空間に入り始めたことをきっかけに開発したプロダクトです。
毎日ではなくても、自宅でする作業の時間ができ、生活の中にPCやファイル、書類などの仕事にまつわるものを置くことになった人も増えたと思います。それらは、食事の時にはとりあえずダイニングからどけて… …作業を終えたあとにもとりあえずでテーブルやソファに置きっぱなしになるしかないと思います。
生活の中に仕事が入り込み、オフの時間にも仕事で使うPCや書類などが常に目につく状態。仕事とプライベートの切り替えができなくなるその状況が、あまり良くないな、と感じていました。

だから、仕事を終えたらサッと移動させて蓋を閉じて仕事道具を隠してしまおう。
仕事から生活に切り替えられるように、蓋を閉じたあとの姿はすっきりと、見た目もキャスターが見えないように、スチールの薄さを活かして構造材の厚みを抑えて家の中で生活に馴染む見た目になるように。同時に、移動できるなどの使いやすさ、収納力や機能もしっかりと考えられた、そんなプロダクトを目指して作りました。
STEEL STORAGW WAGON /2023
Design : PERMANENT 31
テーブルやシェルフならば、しっかりものを置けて倒れにくく、ハンガーであれば、多くの衣類を安全に保持する。それらが道具としてのプロダクトの役目で、それをきちんと果たしているのが前提になると思います。
生活の中で使う為の家具や道具は、使い勝手もしっかりと考えてあり、かつ素敵なデザインである。
そのどちらかだけが優れているのではなく、ちゃんと両立しているプロダクト。それがDUENDEの作るもの。そうでなければ、DUENDEでやる必要がないと考えています。
BENT HIGH STOOL /2017
Design : KODAI IWAMOTO
シンプルに、普遍的に、“なる”
人が、なにを付加価値と感じるのかは、その人がモノやサービスに対して感じとってきた価値観と等しいと思います。
「え、これがこの金額?(安いね)」というのは、過去に見たものや、自分が考えている相場よりも値段が低ければ安いと感じ、相場より高ければ、それはその人にとっては高い、となるのだと思います。
実際に同じものを安く作るには、どこかのコストを削らなければ、安くはなりません。事業規模が大きくなり、たくさん作ることにより、材料費や加工費を割り引いてもらう。自社のコスト、流通のコスト、かかるコストを全て抑えていく。そうしたことがなければ「安く」ならないのです。商品に関わる全員が協力してコストを下げることもあれば、悪く言うと買い叩いてコストを削ることも世の中にはあるでしょう。
そういった安く買い揃えられる商品の役目も大いにあると思います。が、しかし、我々がユーザーに伝えている製品は、作る側も、扱うお店も、買う人も「ちがう志」を持っているのだと思います。
生活の中で長く使い続けていくことを前提として、ひとつひとつのプロダクトの開発に時間を掛け、トライ&エラーを繰り返し、試作を作ってみて、ここをこうしよう、このほうがいい、と時間もコストも掛けて創り出した製品は前述した安く買いそろえられる商品とは違うのだと、自分は考えています。

家具は、本来そんなに買い替えるものではないと、僕は思っています。
家具が買い替えられる理由はいくつかあって、「壊れたから」「飽きたから」「時代遅れになったから」といった理由からが多いのではないかと思います。
DUENDEは、大量に生産してコストを下げる「規模の経済」を目指してはいません。そのため、一つひとつのプロダクトを、デザインも品質も、作り込んで、長く使えるプロダクトを発売してきました。
主材はスチールで壊れにくく、かつ流行りを取り入れない、という点は常に意識してきました。
「気がついたら、もう7年も使ってた」
これは、僕自身の体験です。でも、7年といわず10年、20年と、今もなお継続しているDUENDEの出してきたプロダクトたちは、今見ても 『いいよな』と思えるプロダクトばかりだと感じます。
流行や装飾的な要素はDUENDEでは取り入れない、必要ないという意識は当初からあり、無彩色を採用して他のインテリアと合わせやすく、見た目も極力シンプルに。
当初、言語化はしっかりとできてはいませんでしたが、いまの言葉にすれば「ミニマルデザイン」「削ぎ落したデザイン」というような考えを持って開発を進めてきました。
『あらゆる空間で合わせやすく、使いやすい』
異なるデザイナーがコンセプトを決め制作したプロトタイプをDUENDEとして製品化したプロダクトも、デザイナーと協働して話し合い、検討を重ねて開発をしてきたプロダクトも、統一感=DUENDEらしさがあるのは、共通した考えがあったからだと思います。
実際のところ、装飾的な要素と流行を取り入れないことが、プロダクトが古くならない大きな要素だということに気づいたのは、あとになってからです。
発表から10年以上経過しているDUENDEの多くのプロダクトが、今もなお古さを感じないで多くの皆さんに愛してもらえている。実際にそれを体験した今だからこそ、言い切れるのだと思います。
DUENDE
ブランドマネージャー 酒井浩二

