
天然木を “無塗装と、オイル仕上げ”
にした理由
スチールという素材は、鉄(Fe)を主成分とし、炭素を加えた合金です。アイアン(鉄)は、純鉄に近く、柔らかくて錆びやすいですが、スチールは強度、耐久性が高く板状や棒状にする加工性も高い素材で、建築、家具、自動車、什器などでもよく使われています。 スチールも錆が空気との接触で錆が発生しますので、表面に空気、水分を通さない塗装をすることによって、空気とスちールの素材の接触を防いでいます。
つまり、塗装は素材の錆びの防止が一番の目的です。かなり昔ですが、木は錆びないのに、なんで塗装するのか?と疑問を投げ掛けた時に、「木はね、生きているんだよ」と教えられ、いやいやもう木材になってるでしょうが、と思いつつ、「木材は、伐採して加工されて角材や板や棒になっても、息をしてるから水分を吸収したりして、反ったり曲がったりするんだ、だから塗装して殺さないといけなんだよ」と、材料の加工用語であり、塗装によって、スチールと同じように空気と素材とを遮断するという意味だけどすごい嫌な気持ちになったことを覚えています。
木材に塗装をする一番の理由は、天板などの汚れ防止。水こぼしが跡になってしまうとか、手垢や、テーブルウエアの素材写りで天板の一部が汚れたりするのを防止するのが目的だと。
DUENDEでは、芦沢さんデザインのTRE SIDE TABLEが、初めてスチールとオークの無垢材を組み合わせた製品でしたが、この時に、先程の話を思い出しました。 脚部だし、普段触らないよな…。敢えて塗装する意味ないし、木材が空気と触れて経年変化していくのは、天然素材の良さでもあるし、塗装によって天然木の素材感を無くして、つるんとしてしまう感じに違和感を覚えました。 そこで、無垢素材感を残すために無塗装にしようと思ったのです。

TREのBLACKには、ナチュラルだけではなく、茶っぽい木部の組み合わせも似合いそうだなと思い、でも塗装するのは頂けないなと思ったので、オイル仕上げはどうだろうと思って、何種類かのオイルを購入しました。

石油系のオイルは、昔からある油性のニスみたいな雰囲気で表面に塗膜みたいなテカリがあり、浸透性で保護しつつ木目や質感を強調する世界的にも有名な英国のWATCO OILと、ドイツのOSMOオイルを比較したところ、OSMO OILの雰囲気がとてもよく思えました。

オークの木目がよりはっきり出て、天然木のよさが引き出されたような表情になります。
オイル仕上げは、拭き上げ時は持ち方ひとつで指跡もつきやすく、その後に数日自然乾燥させたりと、手が掛かつのは事実ですが、オイルを塗布して、浸透を待って、拭きあげ、完全乾燥あとの木目には毎回胸が踊ります。

同じく芦沢さんのデザインのMARGE SHELFにBLACKが仲間入りしました。もともとは棚の色が3色で構成され、好みのグラデーションを楽しめるシェルフですが、

このミニマルなシェルフは、どこから見ても格好がよく、無駄を削ぎ落したシンプル極まりない故、単色で、且つ黒という選択肢をラインナップに加えました。

黒い棚色に似合う、オイル仕上げのオークの木目が高級感を醸し出していると思います。

薄いスチール板の強度の確保と、置かれるものが後方に落ちない機能を両立した棚の背板がシャープな見え方をする横顔。

壁付けするのが勿体ないくらい、背面も美しいので、部屋の間仕切りのような使い方も、最高です。

